昔はこの2つはほぼ同じ意味として使用されてきました。
そのため車検業者に依頼すれば車検に通るとともに整備や点検も同時に行われるということが常識的でした。
ドライバーとしてはこの2つの違いを意識することは少なかったのではないかと思います。
しかし現在では
- まず車検を受ける
- その後24ヶ月点検を受ける(もしくは自分で行う)
というようなことでも問題はありません。
一般的にはこの2つの意味や目的がよくわからないという人が多いようで、法律的な側面も含めて詳しく説明をしたいと思います。
車検と24ヶ月点検の違い
車検が切れた状態で公道を走ることは法律上できません。
もし車検が切れたり受けないまま走っていて警察の検問などにかかると罰金や免停を受けることになります。
参照
そのため2年ごとの車検を受けないという選択肢は車に乗る以上は避けられないものといって良いでしょう。
少し語弊はあるかもしれませんが、
- 車検は日本の公道を走る資格を得るための検査
- そのため車の整備が完全ということを保証したものではないこと
- 車検に通っても翌日に故障で整備が必要になることもあること
ということがいえると思います。
一方で24ヶ月点検というのも法律上義務規定となっているという点では同じです。
しかし冒頭でも説明しましたようにこの24ヶ月点検を受けないとしても、先に車検に通ることは可能となっています。
あって良いことではないですが、ユーザー車検で安く車検を通しておき、その後に24ヶ月点検を受けないまま公道を走っているという自動車もいなくはないと思います。
しかし24ヶ月点検にはメリットもあって
- 車検で確認しないところの整備も行う
- 故障の予防になり結果的に出費を下げることにもなる
ということなどがあります。
24ヶ月点検を整備業者などで受けていないからといって事故の場合に任意保険から保険金が下りないということは必ずしもいえませんが、車の点検不備が立証され、それが原因で事故につながったとすれればドライバーの法的責任がより問われても不思議ではないといえます。
まとめれば
- 車検とは公道を走る目的に必要なもの
- 24ヶ月点検は大きな車の故障を予防するという目的で行うもの
といって良いでしょう。
ユーザー車検と24ヶ月点検
ユーザー車検というものもあって、車検は業者を通さなくても自分で行ってもかまいません。
しかし後述する点検項目を見てもらうとわかりますように、現実的にユーザーが自分で24ヶ月点検を行うことは難しいと思います。
- ユーザー車検
- 車検代行業者
で車検を通す場合には実際には24ヶ月点検をせずに運転をしているドライバーも多いかもしれません。
しかし24ヶ月点検をしないままでいると大きな故障をしてかえって高くつくということも起こります。
参照
このようなことを避けるには
- ユーザー車検や車検代行をしてもらうときには別に整備だけ業者に頼む
- 車検業者の費用を安くしてもらう
という方法で出費を減らすことが必要といえます。
参照
24ヶ月点検でのチェック項目
チェック項目は大きく分けると5つに分かれます。
- エンジン・ルーム点検
- 室内点検
- 足回り点検
- 下回り点検
- 外回り点検
の5つです。
この5項目をそれぞれ紹介していきますが、24ヶ月点検簿の記載例としては以下のようになります。
(小さいですがクリックしますと大きくなります)
それぞれの点検状況を示す記号としては以下のように記載していきます。
✓ | 良好 |
× | 交換 |
A | 調整 |
C | 清掃 |
P | 省略 |
○ | 分解 |
△ | 修理 |
T | 締付 |
L | 給油 |
/ | 該当なし |
それぞれの項目としては
エンジン・ルーム点検
パワー・ステアリング
ベルトの痛み、損傷
取付けの緩み
オイルの漏れ
オイルの量
点火装置
スパーク・プラグの状態
点火時期
ディストリビュータのキャップの状態
バッテリ、電気配線
ターミナルの緩み
腐食による接続不良
電気配線の接続部の緩み、損傷
エンジン
排気ガスの色
CO、HCの濃度
エア・クリーナー・エレメントの汚れ、つまり、損傷
冷却装置
ファンベルトの緩み、損傷
冷却水の漏れ
燃料装置
燃料漏れ
ばい煙、悪臭のあるガス、有害なガスなどの発散防止装置
メターリング・バルブの状態
ブローバイ・ガス還元装置の配管の損傷
燃料蒸発ガス排出抑止装置の配管などの損傷
チャコール・キャニスタのつまり・損傷
燃料蒸発ガス排出抑止装置のチェック・バルブの機能
触媒反応方式などの排出ガス減少装置の取付けの緩み、損傷
二次空気供給装置の機能
排気ガス再循環装置の機能
減速時排気ガス減少装置の機能
一酸化炭素等発散防止装置の配管の損傷、取付状態
室内点検
ハンドル
操作具合
遊び、がた
ブレーキ・ペダル
遊び
踏み込んだときの床板との隙間
ブレーキの効き具合
パーキング・ブレーキ・レバー
踏みしろ
パーキング・ブレーキの効き具合
クラッチ・ペダル
遊び
切れたときの床板との隙間
足回り点検
かじ取り車輪
ホイール・アライメント
参照
ショック・アブソーバ
損傷、オイルの漏れ
サスペンション
取付部、連結部の緩み、がた、損傷
ホイール
タイヤの空気圧(スペアタイヤの含む)
タイヤの亀裂、損傷
タイヤの溝の深さ、摩耗
ボルト、ナットの緩み
フロント、ホイール、ベアリングのがた
リヤ、ホイール、ベアリングのがた
ブレーキ・ディスク、ドラム
ディスクとパッドとのすき間
ブレーキ・パッドの摩耗
ディスクの摩耗、損傷
ドラムとライニングとのすき間
ブレーキシューの摺動部分、ライニングの摩耗
ドラムの摩耗、損傷
ブレーキのマスタ・シリンダ、ホイール・シリンダ、ディスク・キャリバ
マスタ・シリンダの機能、摩耗、損傷、液漏れ
ホイール・シリンダの機能、摩耗、損傷、液漏れ
ディスク・キャリバの機能、摩耗、損傷、液漏れ
下回り点検
エンジンオイル
漏れ
参照
ステアリング・ギヤ・ボックス
取付けの緩み
ステアリングのロッド、アーム類
緩み、がた、損傷
ボール・ジョイントのダスト・ブーツの亀裂、損傷
トランスミッション、トランスファ
オイルの漏れ、量
プロペラ・シャフト、ドライブ・シャフト
連結部の緩み
ドライブ・シャフトのユニバーサル・ジョイント部のダスト・ブーツの亀裂、損傷
デファレンシャル
漏れ、損傷、取付状態
エグゾースト・パイプ、マフラー
取付けの緩み、損傷、腐食
過熱板の取付けの緩み、損傷、腐食
マフラーの機能
外回り点検
フレーム、ボディー
緩み、損傷
厳しい使われ方をする場合の車の点検項目はさらに以下も追加
かじ取り装置
ギア・ボックスの機能
ナックル又はかじ取車輪の旋回動作
制動装置
倍力装置の機能
走行装置
リム又はホイール・ディスクの損傷
緩衝装置
シャシばねの緩衝能力
ショック・アブソーバの緩衝能力
動力伝達装置
クラッチの断続機構の機能
トランスミッションの変速機構の機能
トランスファの動力分配機構の機能
プロペラ・シャフトの回転時の状態
ドライブ・シャフトの回転時の状態
原動機の運転状態
日常点検
ブレーキ液の量
バッテリ液の量
冷却水の量
エンジン・オイルの量
エンジンのかかり具合や異音
低速と加速の状態
ヘッドランプ、ストップランプ、ウィンカランプ等の点灯、汚れ、損傷
ウインド・ウォッシャ液の量、噴射状態
ワイパの拭き取り状態
その他の点検
アイドリング時のCO、HC濃度
タイヤの溝の深さ
ブレーキ・パッド、ライニングの厚さ
<スポンサード リンク>車検サービスについて
整備能力の高さと、リーズナブルな費用とを兼ね備えた大手車検専門フランチャイズです。
立ち合い車検、整備士による説明とで明瞭会計を実現しています。
元整備工場が加盟しているので整備能力には定評があります。
⇒ ホリデー車検のレビューはこちらから
最大級の車検業者検索サイトです。
車検費用が最大82%オフの特典もあります。
車検とともに整備点検もついているので安心できる業者が多いです。
⇒ EPARK(旧:お宝車検)のレビューはこちら