ドライバーでも知らないことも案外多いのがこのユーザー車検です。
車検業者を通さずに車検に通すということで、その車検費用を節約することができるので安いというのが最大のメリットといえます。
ユーザー車検とは自分で車検場へ持ち込み車検を受けること
簡単にいえば
「自分で運輸支局に持っていって車検を通す」
という方法です。
メリットとしては車検費用が最安値になるということで、平日に休みが取れれば案外簡単に車検を通すことができます。
ディーラー、整備業者など車検を頼める業者はありますが、
- 法定費用 国に支払わないといけない税金など
- 車検費用 業者の手間代や部品代など
とに分かれ、ユーザー車検であればこのうち法定費用だけで済みます。
一番高いものの整備という観点では最も安心できるディーラー車検と比較すれば、おおよそ半額程度の費用で済ませることができるといえるでしょう。
ユーザー車検のタイミング
車検は自動車車検証という書類の
「有効期間の満了する日」
という欄を確認します。
その有効期間の満了する日の1ヶ月前から車検を受けることができます。
ユーザー車検でもこの1ヶ月の期間内に車検を行います。
ユーザー車検を行う場所
基本的には全国の運輸支局で行います。
ただし車検が切れている期間がある場合には使用する場所を管轄する検査場でしか車検は行えません。
たとえば中古車を購入した場合などがこれに該当します。
ユーザー車検の費用
上記でも記載しましたが、
- 法定費用 自賠責保険、重量税、印紙代で3万強から6万程度(車種によって異なる)
- 車検費用 車検業者に支払うもので手間代、部品代など
というのが主な車検費用で、ユーザー車検ではこのうち法定費用しかかからないことになります。
参照
ユーザー車検の手数料とは?
上記のように法定費用の中には印紙代というものが含まれていて、その費用は多くの場合には1100円となります。
この印紙代とは検査手数料のことであり、国の車検場に車を通すということについての費用といわれています。
ユーザー車検のメリットとデメリット
メリット
- 費用が安い(ディーラー車検の半額程度)
- 自分で車検をするので余計な部品の交換などをされない
- 車に詳しくなれる
デメリット
- 平日に仕事を休まないといけない
- 車検になかなか通らないこともある
- 車検に合格しても24ヶ月点検を自分でするのは現実的には無理
- 24ヶ月点検をしていないので特に年数や走行距離次第では大きな故障になってかえって出費がかさむことがある
車検には1回で通りたいものですが、2年も車を走行していれば落ちる検査項目はいくつか出てくるものです。
このような場合に活用して欲しいのがテスター屋さんです。
通常、車検場の近くで店舗を構えていることも多く、当日の朝一番などにいって簡単に車を保安基準に沿って整備してもらうと合格率はグッと上がってきます。
参照
「ユーザー車検の前にはテスター屋を利用するほうが良いのか?」
また実際には24ヶ月点検をしていないユーザー車検ということをしている人はたくさんいると思います。
新車であったり、走行距離がそう伸びていない場合にはそれでも良いのですが、そうではない場合には24ヶ月点検で故障の予防になることがあります。
折衷案として車が古くなってくれば、車検はユーザー車検にしておいて、車検とは別に24ヶ月点検だけ業者に依頼するというのが理想的といえます。
ユーザー車検の予約方法
ユーザー車検では予約制となっています。
- 自動車検査法人 http://www.navi.go.jp/
- 軽自動車検査協会 http://www.keikenkyo.or.jp/
予約はこちらのサイトから行います。
日によっては空きがあることもあり、当日予約も可能な場合もあります。
14日後の予約までできますので、余裕を持って有給休暇との関係も考えて予約するようにしましょう。
軽自動車の場合には予約サイトが異なります。
また自動車を持っていく場所も普通車とは別になっていますので、間違えないようにしましょう。
軽自動車と普通車とのユーザー車検で違うところは?
よく軽自動車の車検はと聞かれることも多いのですが、上記の予約先や車検場の場所以外にほとんど違いはありません。
検査項目や落ちるかどうかの判断基準も含めてほぼ同じように考えて良いでしょう。
あえて違いをまとめれば
- 予約先と車検場が違う
- 納税証明書の再発行の方法が違うこと
- やや軽自動車の法定費用が安いこと
という3点になるといえます。
参照
ユーザー車検と当日予約のキャンセル
意外かもしれませんが、
- その車検場でキャンセルがあった日
- 車検切れが近いとき
などは当日予約なしにいきなり車検場にいっても車検を受け付けてくれることもあります。
絶対ではないので避けて欲しい方法ですが、車検切れが近いなど緊急の場合には試してみて欲しい方法です。
参照
ユーザー車検と代理
自分で車検場に持ち込んで車検を受けるのがユーザー車検ですが、
- 家族
- 知人や友人
に代理してもらってもユーザー車検を受けることは特に禁止されているわけではありません。
またその場合でも委任状は特に必要ありません。
詳しくは以下のページに説明していますが、車検証を紛失したなど特殊なケースに該当しない場合には代理でも委任状等も必要なくユーザー車検を受けることができます。
参照
ユーザー車検で必要な4つの書類
- 自動車検査証
- 定期点検記録簿
- 自賠責証明書
- 納税証明書
とこの4つの書類がユーザー車検では用意するべき書類といえます。
定期点検記録簿とは24ヶ月点検をしたときに記録していく書類ですが、車検の後に点検をするという場合には不要となります。
窓口では「後整備」と伝えれば特にこの書類の提示を求められることはありませんので、必要ないとなります。
前整備の場合だけ提出するので携帯するようにしましょう。
2017年10月追記
ただし、一部のエリアでは後整備と伝えても車検を受けつけない車検場も出てきているようです。
その場合には自分で24ヶ月点検の点検簿を作成して提出するようにしてください。
点検簿については下のページで紹介しています。
参照
自賠責証明書とは車の強制保険に加入していることを証明する書類です。
見るべき箇所は保険期間で、車検満了日よりも後の日付けになっているかどうかということです。
納税証明書は毎年5月に郵送されてきて、自動車税を支払っていれば自宅に保管してあるはずです。
直近の5月のものを納税していれば、支払ったときに収納印が押されてあるはずです。
紛失している場合には運輸支局の自動車税事務所に連絡をして再発行してもらうことができます。
引越ししたばかりで他府県ナンバーになっていれば、引越し前の自動車税事務所に連絡をして再発行してもらいましょう。
参照
「5月の車検ではいつの納税証明書を用意すれば合格するのか?」
車検場での流れ
- 3つの書類を当日作成
- 法定費用を印紙で納付
- 受付をする
- 外観検査
- 検査ラインでの受検
- 新車検証交付
それぞれ詳しく解説します。
ユーザー車検の受付と業務時間
ユーザー車検は平日の
- 受付時間 8:45~15:45
- 業務時間 9:00~16:00
となっています。
落ちてしまったときに再検査を受けることもできますが、業務時間が割合早く終わるので早く受けるほうが良いといえます。
参照
ユーザー車検の2つのコース
都市部ではかなりなくなってきましたが、地方の車検場では手動コースもまだ存在していることもあります。
検査機会をユーザーが操作することも必要なこの手動コースでは難易度は上がってしまいます。
よほど慣れたユーザー意外は自動コースで受付されているかを確認しておきましょう。
参照
車検場で作成する3つの書類
事前に4つも書類を準備し、さらに当日車検場に到着後3つの書類を作成しなければいけません。
大変面倒ですが、節約のためと我慢です。
作成する3つの書類とは
- 自動車重量税納付書
- 自動車検査票
- 継続検査申請書
となります。
書類の名前を聞くと面倒そうに感じますが、車検場には書き方のサンプルがあります。
それを見ながら自分の情報を記載していけば問題ありません。
どうしてもこの3つの書類の作成に自信がないという場合、運輸支局の前には必ずとって良いほど代書屋さんが事務所を構えていて、そこで作成代行を依頼することもできます。
ただし費用が1300円前後となることもあり、ユーザー車検の最大の醍醐味である安さを消してしまうこともあります。
代書屋さんに依頼するくらいなら最初からユーザー車検代行業者に2万円弱の費用を支払っていくほうが手間も考えれば賢明ではないかと思います。
参照
「ユーザー車検で書類作成に自信がない場合には代書屋に依頼しても良いのか?」
受付をする
上記の3つの書類のうち自動車重量税納付書、自動車検査票は重量税と検査手数料を支払ったときにもらえる印紙を貼るための書類でもあります。
つまり車検で必要な法定費用を支払ったことを証明し、それによって車検を受けることができるようになります。
これらの書類を作成すればあとは受付に行きます。
その後、簡単に検査手順の説明があり、あとは実際に車の検査に入っていきます。
外観検査を受ける
その名の通りに車の外部の検査のことです。
この段階でホイールキャップを外しておかないと検査できないので忘れないようにしましょう。
ホイールキャップは簡単に外すことができますが、自信がない場合には事前にテスター屋さんで事前点検とともに外してもらっておくと良いでしょう。
またホイールキャップは車検場の検査官が外すことをサポートしてくれたりは一切ありません。
外さずに車検場に入るとかなり焦りますし、いろいろと言われることもあるのでマナーとして最低限行っておくようにしましょう。
- 車台番号のチェック
- エンジンが改造されていないかのチェック
- 灯火類のチェック
- ヘッドライト、ウィンカー、ブレーキランプ、ナンバー灯、ワイパーの動きのチェック
- 窓の開閉、ウィンドウフィルムの有無、警告光、シートベルトのチェック
- クラクションのチェック
- ホイールナットが緩んでいないかチェック
- ホーンマーク(ハンドルのラッパの絵)、コーションラベルのチェック
と多くの検査項目があるように思いますが、検査員に指示される通りに操作をしていくと合格できるはずです。
ホーンマークなども購入した後にはがしていない場合にはまず問題ないはずです。
コーションラベルについては車検場や検査官によって判断が違います。
最近ではコーションラベルがなくても車検に通る車検場も多いので、ホーンマークほど神経質になる必要もないと思います。
参照
「ユーザー車検の前にはテスター屋を利用するほうが良いのか?」
検査ラインでの受検
ブレーキなど車の機能的なチェックをするのがこの検査ラインでの受検です。
車検では一番重要で、またユーザー車検では不合格となりやすい検査が出てくるのもこの検査ラインでの受検といえます。
基本的にはラインということで縦長のコースのようになっていて、工程ごとに次第に前へ前への受検を進むことになります。
もし最初のユーザー車検という場合には不安でしょうから、事前に見学ができるので他の受検者の様子を確認しておくと雰囲気をつかめると思います。
- サイドスリップ検査
- ブレーキ、スピードメーター、サイドブレーキ検査
- ヘッドライト検査
- 排出ガス検査
- 下回り検査
と大きく5つの検査が行われます。
名前を聞くとすごいことが行われるように思うかもしれませんが、この5つの検査でだいたい10~15分程度で終了することが多いです。
サイドスリップ検査はまっすぐに進める車かどうかのチェックですが、実際には気づかないうちに終わっているような感じです。
ただ表示が出ればハンドルを切らずにゆっくりと進むことで機械判定が行われます。
速度のイメージとしては歩行する程度のスピードとなります。
失敗しやすい人としては、スピードを出してしまう場合、またハンドルを切ってしまって×判定となってしまいます。
最初の検査になるので特にゆったりと操作するようにしましょう。
参照
ブレーキ、スピードメーター検査はニュートラルに入れて指示通りに操作をするだけです。
指示内容としてはブレーキを踏んだり、パッシングをしたりといったようなことです。
ローラーの上ですのでアクセルを踏んででも前進はしません。
時速40キロまで出してと指示されますので、その後も指示通りにパッシング(ライトを一瞬上に向ける操作 ライトのレバーを手前に一瞬引く)をすれば検査終了です。
ブレーキ検査はローラーが下で回り、指示があったときにブレーキを踏みしっかりと止まるかをチェックする検査です。
ユーザー車検の人が一番落ちやすい検査で、コツとしては普段よりもブレーキを強く踏むということを覚えておくと良いと思います。
参照
サイドブレーキ検査もローラーの上に後輪を乗せて制動能力を検査されます。
使用頻度が高いと落ちることもありますが、落ちてもテスター屋さんで安価に整備してもらえます。
参照
ヘッドライト検査はロービームにして光量と光軸を確認する検査です。
ちなみにハイビームの検査はありません。
(追記 車検場によっては依頼することで光量検査のみハイビーム検査を了承してくれるところもあるようです)
指示通りにヘッドライトをロービームにして、あとは機械が光量と光軸を測定します。
ここで運転者は車内でもあまり動いてはいけません。
動くと車が揺れて機械測定に狂いが出て不合格になることがあるからです。
参照
排出ガス検査も指定された場所に車をエンジンは止めずに停車させます。
自分で排気口に向かい、測定器をそこに向けます。
あとは機械が判定をしてくれます。
最後の下回り検査はオイル漏れ、マフラーに穴がないかのチェックを行います。
そして機械で車を左右に揺らして足回りのガタを確認します。
エンジンを切る、ニュートラルに入れる、ハンドルから手を離す、ブレーキを踏む、など指示通りに操作をしていきます。
他にもユーザー車検で不合格になりやすいところをポイント的に以下のページでまとめてみました。
参照
新車検証交付と帰宅
一応ここまでで車検は終了です。
あとは運輸支局に戻り、書類を提出して新車検証がもらえるのを待ちます。
しばらくすると発行されるので、さっそく車のフロントガラスの内側に貼っておきましょう。
車検に落ちた場合の手続き
再検査を同日だと2回まで受けることができます。
車検に落ちた箇所のみテスター屋さんなどで整備して、すぐに同日に車検を通してしまうことも可能です。
ただし同日に時間がないという場合には、限定自動車検査証を発行してもらい15日という有効期限内に落ちた箇所について車検の再検査を受けることができます。
この限定自動車検査証には落ちた箇所の記載もあるので、再検査ではその箇所のみ合格すれば晴れて車検に合格となります。
参照
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