会社車両を貸し出しして従業員に運転をしてもらって業務を回しているということは多いかもしれません。
- 自賠責保険
- 任意保険
- 車検
などと一応の保険や義務を果たした車両でも人身事故を起こせば法的責任は発生してきます。
しかしその法的責任は従業員が負うべきなのか、また車両を管理している会社や経営者が負うべきなのかはまた話が違ってきます。
人身事故での被害者への補償責任
個人間でも事故で加害者と被害者となることもありますが、この場合も
- 自賠責保険
- 任意保険
とを使うかどうかは別にして補償を行います。
被害者との話し合いによって示談で済ませるのか、また保険を使用するのかという意思が固まってきます。
要は被害者の意思がどのように固まるのかが重要で、任意保険の等級を考えれば示談で保険を使わないほうが良いかもしれません。
しかし運が悪いと強硬に保険や刑事問題にしたいという人もいるので、これは相手の性格にも大きく影響を受けます。
会社車両での法的責任を負うのは会社？社員？
これについても経営者は連絡を受けて混乱すると思いますが、まずは事故を起こした当事者である社員の責任となります。
会社の車両ということで、車両で入っている任意保険の保険会社に連絡をし、その後この保険会社に被害者、あるいはその保険会社などと話し合いを進めてもらうこととなります。
経営者としてやるべきことはまず車両の保険会社に連絡することといえるでしょう。
車検切れ車両での人身事故
ただ本来あって良いことではないのですが、会社の車両の
- 車検
- 任意保険
- 自賠責保険
などが切れていて、そのような状態で運転中に今回のような人身事故を起こしてしまうという場合もあります。
この場合も事故の責任は社員に発生してくるということは特に変わりありませんが、会社には管理体制という問題も出てきます。
参照
車検切れでの示談金
車検切れとなっていると自賠責切れも起こしていることは多いです。
その場合、保険金が下りないので、被害者に示談金などの名目で金銭を支払う必要があります。
任意保険も切れていればかなり大変ですが、これを誰が負担するのかということですが、
- 会社が負担する
- 保険で負担する
という方法となります。
ごくまれに社員が起こしたのでと社員に負担させるところもあるようですが、大きな金額だと社員から訴訟提起をされれば負けてしまうことなります。
車両も会社所有であり、また社員も業務中に事故を起こしているのです。
会社が知らないと補償責任を社員にすべて負担させることは法的根拠はありません。
社員の怪我と労災保険
社員も加害者であるとともに怪我などをして休業することも出てくるでしょう。
- 通院するなどの療養
- しばらく療養で仕事を休むときの逸失給与
このようなものは労災保険の対象となります。
通常社員を使用していて労災保険に加入していないということはありえないので、このような場合には労働基準監督署に連絡をして労災の手続きをしなければいけません。
労災を使うのはまずいと考えれば療養費、逸失給与を会社が立て替えで払えば良いと考えるかもしれませんが、厳密には労災隠しといって重罪になるので注意が必要です。
後で労働者に労基署に通報されたりすれば、経営者が労災隠しとして書類送検されることもあります。
たとえばよほど会社が経費節約で整備費を節約していて、そのことも理由となって今回の事故を招いたというような場合の他は労災保険の申請をしても不利益はないと思います。
ですので個人的には大人しく社員もケガをしていれば労災申請をしたほうが良いと思います。
経営者の責務と被害者への補償
事故をした場合にはとにかく申し訳ない気持ちになるものです。
特に今回のケースでは社員が起こした事故とはいえ、会社の車両です。
ひょっとすれば車検切れも起こしていたりすれば何かの管理体制の不備もあったのかもしれません。
人身事故で申し訳ない気持ちになるのはよくわかりますが、経営は経営です。
強い気持ちを持って保険会社と被害者に誠実に対応し、今後も会社経営をしていくようにしましょう。
会社をたたみたいという気持ちになることもあるのですが、他の社員の生活や、取引先への迷惑もあります。
被害者への補償を行うとともに、揺れる気持ちに鞭を打ちつつ経営は続けていってほしいと思います。
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