ユーザー車検ということで業者を通さずに自分でも車検に通すことはそれほど難しくはありません。
- 平日に休みをとって運輸支局の車検場に行くこと
- 車検に落ちやすいポイントをクリアしておくこと
という2点をカバーすれば費用も安く車検に合格できます。
ディーラー車検と比較すれば半額程度で済むといえますが、デメリットとしては車検に通らないこともあるということです。
ここではよくユーザー車検で不合格になるポイントについて解説をしておきます。
自分の車が該当していないか事前にチェックしておいて欲しいと思います。
参照
「平日に休みが取れれば案外簡単にユーザー車検で車検に合格できる」
ヘッドライトの光量不足
ヘッドライトが暗くなっていると感じているユーザーは多いと思います。
安全上の問題もあって車検ではこのヘッドライトの光量の検査もあります。
ロービームにした状態での光量をチェックするのですが、この検査で不合格になる車は案外多いです。
(車検場によってはハイビーム検査の依頼をすればまだハイビーム検査を了承してくれるところもあるようです)
暗くなる理由としては
- 屋外に止めていて紫外線でヘッドライトカバーが黄ばむ
- ヘッドライトの劣化
がほとんどです。
劣化という場合にはライトの交換も必要となってきますが、まず先に黄ばみを疑うべきといえます。
ライトカバーの黄ばみは樹脂クリーナーをカー用品店で購入し、それで磨くことで綺麗になることが多いです。
これでも綺麗にならないという場合には
- カバーの裏面が汚れている
- カバーの表面に傷がついていたりして磨いても綺麗にならない
ということがあります。
この場合、バフといった機材で表面を削れば綺麗になりますが、購入するよりも整備工場などに依頼したほうが安くつくと思います。
また裏面の清掃もユニットを取ってという作業が必要になり、さらにユニットごとの交換も必要なこともあります。
そのためそこまでするなら業者に依頼したほうが早く安くつくと思います。
サイドスリップ検査で落ちやすいポイント
この検査は車がまっすぐに進めるかどうかの検査です。
案外この検査でも不合格になりやすく、原因としては
「タイヤの摩耗」
ということが多いです。
タイヤの内側や外側が変にすり減っているということで車がまっすぐに進まないということです。
このような現象が起こる原因としては、たとえば駐車するときなどに縁石をよく踏む、また側溝の上を通るというようなことが多いです。
このような場合も簡易的には「トー調整」によってサイドスリップ検査の規定内におさめることができる場合もあります。
サイドスリップ検査が不安な場合、カー用品店でサイドスリップテスターが販売されていますので、車検前にチェックができます。
トー調整は
- アライメント調整をする
- タイロッドの長さを変えて調整する
ということが必要となります。
本を見ながら一般の方でもできなくはないですが、手間を考えれば車検業者に任せたほうが良いかもしれません。
参照
ブレーキ検査で落ちやすいポイント
はじめてユーザー車検を行う場合にはこのブレーキ検査でもよく不合格になります。
落ちるポイントとしては
- ブレーキキャリパーの錆によるブレーキの片利き
- パッドの錆
- ブレーキドラムの液漏れ
です。
この3つは整備が必要となってきますが、これらが正常であっても車検のブレーキ検査に不合格になることも多く、それは
「ブレーキ検査でのブレーキの踏み込みが甘い」
ことによる規定外の制動距離になってしまうことです。
日常的なブレーキの踏み込みよりも強めに踏むというイメージでブレーキ検査にはのぞまないといけないといえます。
ステアリンググラックブーツの破損
ここで不備で車検落ちしてしまうこともよくあります。
これはゴム製なので、比較的よく破損をしてしまうのです。
伸縮しなければいけない箇所でゴム製なのですがそれゆえに車検ごとにチェック、あるいは交換をしなければいけないパーツといえるでしょう。
ステアリンググラックブーツはカー用品店で購入もできますが、問題はその交換です。
タイロッドエンドを一旦分解して外して、それからこのステアリンググラックブーツを新しいものに交換するという作業が必要となります。
経験があれば特に難しい作業ではないですが、自分でやるとなれば車検業者に依頼したほうが良い箇所といえるかもしれません。
ドライブシャフトブーツの液漏れ
ここの破損や損傷も非常によく起こります。
ドライブシャフトブーツが破損していれば付近にオイルがたくさんつくので素人目にも何かがおかしいとすぐにわかります。
これも実は部品交換は難しくありません。
まずカー用品店でドライブシャフトブーツの新しいものを購入し、あとは交換すれば良いだけです。
ただしホイール側だけの損傷でない場合には、ジョイント分解も必要な場合もあるので、車検業者に依頼したほうが良いかもしれません。
マフラーの漏れ
排出ガスの検査も最後のほうで行われますが、この段階ではマフラーの異常によって不合格となることが多いです。
- マフラーの漏れ
- ジョイントの漏れ
が代表的なケースですが、たとえばマフラーの漏れがあってもそれを埋めておくと車検には合格できます。
つまり漏れがあればすべて新品に交換しなければいけないということではなく、マフラーの漏れでも規定内の排出に収まれば良いという規定になっているのです。
マフラーの漏れはパテで埋めていきます。
これはカー用品店でも、ホームセンターでも購入できます。
車の下に入らないといけないのが難点ですが、漏れの箇所を見つけ単純にパテで埋める作業で規定はクリアできるはずです。
ジョイントとはマフラーの連結部をつなぐ部品ですが、ここから漏れを起こしているケースもあります。
この場合はパテでなく、ジョイントの交換を必要とします。
これもカー用品店で新しいジョイントを購入し、交換すれば問題ありません。
エンジンルーム内での漏れ
エンジンルームの検査もありますが、ここでよく不合格になるのがオイルの漏れなどです。
一番簡単な方法は漏れの部分を洗浄し、その状態のまま車検に行くことです。
そうすれば後から漏れたとしても車検にはパスできます。
ただし車の状態を考えれば良いことではないので、
- パッキン交換
- 漏れ止めケミカル剤を購入して漏れの箇所を埋める
という作業を行うほうが良いでしょう。
ケミカル剤やパッキンもカー用品店で購入でき、特にケミカル剤は該当の漏れの箇所に塗れば良いだけです。
乾くのに時間がかかるのが難点です。
パッキン交換もさほど難しくなく、カー用品店の店員に聞いても交換方法を教えてもらえるはずです。
ユーザー車検のデメリット
主に上記がよくユーザー車検で不合格になるポイントです。
一度落ちてもすぐに近くの業者に車を持っていき、落ちた箇所だけ整備してもらえば再検は可能です。
しかし運悪く部品がないという場合にはまた後日に車検場に行かないといけません。
- 新車である
- 前回は業者に依頼してしっかりと整備している
というような状態であれば今回はユーザー車検でも十分に合格できると思います。
しかしそうではない場合には、整備もかねて費用を支払って車検業者に頼んだほうが手間や労力を考えれば無難かもしれません。
車検業者は主に7つありますが、それぞれ費用単価や整備の特徴も違います。
また価格交渉をするべき方法も若干違います。
詳しくは以下のページで説明していますが、ディーラーに頼んでも方法によっては2~3割は費用を安くすることができると思います。
参照
車検を不合格になったときには廃車?
年数や走行距離を考えて廃車も視野に入っているドライバーもいるかもしれません。
しかし最近の車は優秀で
- 10年
- 10万キロ
ではまだまだ買い替えの時期ではありません。
20万キロまでは十分に走れることも多いので、車検に再検査で通すということを考えていくほうが得だといえます。
参照
車検と不合格後の有効期限
車検に落ちたとしても車検証の有効期限までは公道を走ることもできます。
その間に再検査を通せば問題ないです。
また車検に落ちた場合には
「限定車検証」
が渡されます。
この有効期限は15日で、この間に再検査を通せばあらためての予約などは必要ありません。
しかし落ちた同日に通すのがベストで、これだと再度車検場に来なくても良いので便利です。
同日には3回という回数制限がある車検場が多いのですが、車検場の前にあるテスター屋さんで簡単に整備してもらうと車検に通る確率は上がってくるでしょう。
参照
「ユーザー車検の前にはテスター屋を利用するほうが良いのか?」
車検に不合格だったときに後日の再検査をおすすめしない理由
上記のように限定車検証が発行されるので、特に問題ないようにも思いますが、たとえば以下のようなケースがあったとします。
- 車検証の有効期限 8月31日
- 限定車検証の有効期限 9月3日
この場合、9月3日までに車検場に再検査に行けば良いようなものですが、9月1日からは車検証は切れていることになります。
つまり1日からは仮ナンバーがないといけないとなって市役所に手続きもしなければいけないので正直面倒です。
限定車検証の発行にあまり期待せず、車検証の期限内に再検査を通しておくのが理想といえるでしょう。
参照
「車検を受けなくても仮ナンバーで運転しても罰則の適用はない?」
車検に不合格となれば重量税や自賠責保険料は返金されるのか?
- 印紙代
- 自賠責保険料
- 重量税
と法定費用が3つありますが、たとえばどうしても車検に通らないので廃車という場合には返金されます。
しかし印紙代は検査手数料でもあり、これだけ(約1000円です)は返金されません。
ユーザー車検であったり、また廃車も視野に入れている場合にはこの法定費用が先払いなのも気になるところですが印紙代意外は返金されるので心配しなくても問題ありません。
参照
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